イタリア買付道中記 2012
イタリア買付道中記 2012 その7
ブッセート
Busseto:ブッセートという村があります。
パルマから北西に20Kmほど行った所にある、それはそれは小さな村です。
にも関わらず、とても有名。
オペラの作曲家、Giuseppe Verdi:ジュセッペ・ヴェルディが幼い頃に 過ごしたところで、
大変ゆかりのある所であり、村の真ん中にはその村の規模からすれば不釣り合いなほど大きな広場があり、
そこにこれまた堂々とした Teatro Giuseppe Verdi:テアトロ・ジュゼッペ・ヴェルディ があります。
ま、ヴェルディという人間と、ブッセートという村には複雑な関係があり、
必ずしも友好的で相互を讃えあうような関係でもなかったようだというのは、
ヴェルディ劇場を案内してもらえばすぐに感じ取れる微妙な空気の流れから 容易に想像がつく、
そんな感じです。
先の滞在先であったパルマの丘陵地で楽しんだ高原の清々しさはここには 無く、
焼け付くような強い日差しと高い気温、そして意外にも高い湿度の せいで、
劇場を訪ねた時にはすでに逃げ帰りたくなるような状況でした。
でもここで訪ねたかったのは劇場というよりは一つのお店なのでした。
Salsamenteria Storica Baratta :サルサメンテリア・ストリカ・バラッタ
ここではEmilia Romagna:エミリア・ロマーニャ州の美味が楽しめます。
パルマの生ハムやパルミジャーノは勿論、コッパ・ピアチェンティーニ、 クラテッロ・ディ・ズィベッロなどなど、
まさに垂涎ものです。
注文すると大きなお皿にワックスペーパーのような紙を敷き、その上に バッサバッサと乗ってくる
ハム・サラミといったら豪快です。
ワインも当然のように微発泡の赤ワイン、ランブルスコがスープカップのような分厚い白い陶器にガバッと入って豪快です。
ヴェルディゆかりの町として有名な所ですが、同時にこの店がまた別の意味で求心力を持っているといっても良い位です。
季節が季節ならそれは満足したに違いありません。
何故そういうのか? ・・・
だって暑かったんだもん。
店内は当然ながらエアコンは無いですし、そもそもこんな暑い日中に 食べにくるお客さんなんて普通いません。
拭っても拭っても止まらない汗と格闘しながら、きっとしかるべき タイミングで食べれば美味しいはずだと
頭に言い聞かせながら、半ば朦朧とした感じでぬるい感じのハムを食べたのでした。(涙)
良い店に違いないですし、店の人の感じも良かったです。
だからここでの味の記憶は次回へのリベンジとしておきます。
少し陽が傾いてきたので宿に向かいました。
宿はクラテッロで有名なZibello:ズィベッロにあります。
ここも小さな村ですが知る人ぞ知る、これまら有名なところです。
続く。