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イタリア買付道中記 2012

イタリア買付道中記 2012 その12

Sudare:スダーレ、といっても涼の趣く日本の簾(スダレ)とは正反対。

スダーレとは"汗をかく"という意味のイタリア語。
この時期の北イタリアの暑さはやはり耐えがたく、もう汗だくな毎日。

7月生まれの私ですが、何がつらいって暑いのつらい、髪が洗えないともっとつらい、そんなヘタレな私です。

先に訪れたSauris:サウリス村は涼しく美味しくまさに満点!な場所だったのですが、同じ州と言えどやっぱり下界は暑かった。

Udine:ウーディネは大人の落ち着きを見せる素敵な街で観光もしやすく、

・Piazza della Liverta:ピアッツァ・デッラ・リベルタを中心に


・Porticato di S.Giovanni:ポルティカート・ディ・サン・ジョヴァンニ
サン・ジョヴァンニの柱廊


・Arco Bollani:アルコ・ボッラーニ
建築家Andrea Palladio:アンドレア・パッラーディオによるボッラーニ門


等々のルネッサンス様式の建築も美しく、所々にVenezia:ヴィネツィアの影響も受けた形跡などが楽しいところです。

街をそぞろ歩くとOsteria al Cappello:オステリア・アル・カペッロという、様々な帽子が天井に飾り付けられた個性的かつ、
地元に人気の店などもあり、飲んで良し、食べて良し(あ、これは地元のLorenzo:ロレンツォに連れて
きてもらったかもしれないですが・・・)の店もあります。

・・・にしても暑い、暑いよぅ・・・

そんな状況下にあっても好印象だっただけに、次回またサン・ダニエーレやサウリスを訪れる確率が高いと思うので、
改めて涼しい時期に堪能したいと思うのでした。

未知のフリウリ・ヴェネツィア・ジュリアは魅惑の土地でした。
そしてまた近く必ず再訪すると思いつつ、その地を後にし、シチリアのカターニアへ飛ぶために
マルペンサ空港方面へ向かう事にしました。

本当は一日余裕を持って買い物でもしようか位に思っていましたし、空港までそんなに距離も無いから
午後の飛行機に乗るならウーディネを朝早く出ればまぁ間に合うだろう・・・なんて思っていたのです。

そしたら、ロレンツォに

「コウジ、お前はヴァカンスシーズンの渋滞をなめているのか?
近くのVenezia:ヴェネツィアは世界的な観光地だ。
イタリア人だけでなくアルプス下ってドイツ人もやってくるぞ!
もしその渋滞にはまってみろ、そんなもん車の中で半日過ごすことになるのは目に見えている。
だから悪い事は言わない、一日早く空港の、しかも東側に移動した方が賢明だと思うよ。」

さすが北イタリア人、まるで日本人のような緻密さだ・・・なんて感心しつつ、
素直にその勧めに従い、マルペンサ空港の近くの街に宿を取る事にしました。
もうほとんど何の予備知識もないままに街を決めたのです。
Novara:ノヴァーラという街でした。

事前に少しでも調べればそれこそ星付きのレストランもあったのにホテルのスタッフの勧めそのままに
とあるレストランに行く事にしました。

その前に街を歩いてみると、それこそどこからも見る事が出来る壮大な建築、
La cupola di Basilica di San Gaudenzio:ラ・クーポラ・ディ・バジリカ・ディ・サン・ガウデンツィオ
(聖ガウデンツィオ聖堂のクーポラ)が目に飛び込み、荘厳で美しい姿にバシャバシャと写真を撮り結構満足。




お腹もすき、食べる気満々で入ったそのレストラン。
Novara:ノヴァーラは米処としても有名なPiemonte:ピエモンテ州に属しますので、リゾットが食べられるところです。
このあたりで食べられるものはPaniscia:パニッシャと呼ばれ、サラミ、インゲン豆、赤ワインで土鍋などに入って
出てくるようなタイプのものらしいという情報は事前に聞いていました。

これが食べられるんだったらもう汗なんかだくだくにかいてもイイや位に意気込んだものの、

「パニッシャは冬にしかやらないよ、ピエモンテの料理は冬の料理なんだ。
だから今はないんだ、ピエモンテの料理は冬の料理だから・・・。」

っと。まぁ言われる事はわかりますが・・・。
ふと廻りを見渡すとずいぶんガランとしていて観光客しかいない。
そんなに観光地でもないところのわりに観光客しかいない、ヤバい!
っと思ったのも後の祭り。

「でもイチゴのリゾットはある。」

って??????
というわけでイチゴのリゾットを頼むことに。
”リゾット”という料理が冬のものと捉えたのですがどうも・・・???


アンティパスとも食べようと、地元ならではのSalame della duja:サラメ・デッラ・ドゥーヤという
ラルドに漬けこんだサラミなども頼みました。


まぁそれで出てきたわけです。で、食べてビックリ。
リゾットは味がしない・・・サラミは脂っこいだけ・・・他の前菜も不味いす、
凄い・・・半ば涙目で食べ続けてみたのですが・・・
運よく・・・というか注文していたゴルゴンゾーラは忘れていたのか出てこなかったので、催促するのはやめにしました。

これらのメニューに問題があるわけではありません、決して。
でも食べる場所によって違うのです、きっと。

こんな風にイタリアは時々”やって”くれます。
日本のイタリア料理のレベルは高く、何処にいってもそんな大変な事にならないと思いますが、
イタリアはそこのところが違うのです。
事前に調べる、現地の知人と行く、等々のステップを踏まずに気の向くまま飛び込むと
時折ビックリするような”味”に出くわします。

現地で美味しいものを食べた時に感じる”これはどうしても敵わないなぁ”という満ち足りた中での感嘆とは全く逆方向のそれです。

Novara:ノヴァーラはMilano:ミラノとTorino:トリノを結ぶ真ん中に位置するところで、
ジャンドゥイオッティの生産者を訪ねる際にも便利なところですからまた来る事があるでしょう。
その際にリベンジする事にいたします。

そんなこんなで北イタリアをざっと1000Kmほど駆け抜けました。
一つ一つの町に長居出来なかったとはいえ、さらに欲張りにここもあそこも訪ねたいと思うほどでした。

またプランを練り直して次につなげていこうと思います。
Malpensa:マルペンサ空港で車を返し、乗るはシチリア、カターニア行きの飛行機です。

続く。

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