Colatura di alici:コラトゥーラ・ディ・アリーチ(ガルム、魚醤)
colatura di alici:コラトゥーラ・ディ・アリーチとは、古くはローマ時代に生まれたとされるGARUM:
ガルムをルーツに持つ魚醤です。
ワイン作りに適しなくなった樽を再利用してイワシの塩漬けであるアンチョビを作り、放って置いたところ
樽の上澄み液が良い香を放っていたのに気付き、これを使い始めたのが始まりと言われています。
魚醤は日本のしょっつるを始め、世界中に見られる先人の千恵。 時代や魚の種類は変わっても人間の
考える事に国境は無いようです。
コラトゥーラの語源、colareとはscende giu 、下にしたたり落ちるという意味で、上澄みがたまり頃合いよしと
判断されると樽の下部に小さな穴を開け、上澄みがアンチョビを再度通り抜けエキスたっぷりの雫が
少しずつしたたり落ちるという製造工程に由来します。
作業開始は5月初旬、イワシが大きく美味を増す頃、漁ったイワシを綺麗に洗って頭を取り、樽に入れ
塩水を満たし半日まぶす。
その後、樽の中に敷き並べ、一層並べては塩をして重石を置いて約半年熟成させる。
と、ここまでは普通のアンチョビ作りと同じです。
で、コラトゥーラとしての頃合いよしとみたところで樽底に小さな孔をあけ、これを集めてとんがり帽子の
ような袋状の生地を通してろ過して来上がりとなります。
先にも書きましたが、上澄み液が再度アンチョビを通り抜けてエキスと共に樽底の小さな孔からしたたり
落ちるわけなので、エキスの抜けたアンチョビはそれそのものの美味しさも抜け落ちてしまうという訳で、
今ではアンチョビとは完全に別の専用ラインとして作っているとの事でした。
Cetara:チェターラについて
コラトゥーラの生産地として知られるCetara:チェターラは、この漁村の名前の由来に興味深いストーリーがあります。
古代世界では地中海の多くの場所に存在していた水産加工場のことを、Taricheiai:タリチェイ(ギリシャ語)もしくは
Cetaria:セタリア(ラテン語)と呼んでいたそうです。
古来より伝わる伝統製法を守り続けるこの生産者と土地の名前はその歴史の積み重ねの上に成り立っているのです。
ほんの数滴で旨味、コクが増します
コラトゥーラは旨味がギュッとつまったエキスです。
ほんの数滴垂らすだけで料理のコクがぐっと増します。
ブロード(だし)やスープに少し垂らしたり、炒めた魚介やきのこ類、ジャガイモに少々
シンプルにオイルとレモン果汁のパスタやリゾットに少し垂らしても美味