Acciughe in olio Extravergine d'oliva:アンチョビ EXVオリーブオイル漬
塩漬けされたカタクチイワシの表面の塩を洗い落とし、指で開いて骨を取って綺麗にしたら
少し水分を拭きとり、瓶に詰めてオイルを満たしたものがアンチョビのオイル漬けです。
良質なカタクチイワシの漁港として有名なシチリア南岸にあるシャッカ産のアンチョビです。
きっちり熟成し、厚みのあるしっかりした良質のアンチョビを
超低酸度の高品質オリーブオイルに漬けています。
オイルはアンチョビ本体の酸化を防ぐもの、その為にだけオイルを使うのなら食用であれば何でも良い、
とは良く言われています。
しかし、より良い状態で保存することを思えば、良いオイルであるにこした事はありません。
生産者のPaolo CAVATAIO: パオロ・カヴァタイオが拘ったのは、漬けるオイルをEXVオリーブオイル、
しかも超低酸度のものを使うことだったのです。
その超低酸度のEXVオリーブオイルというのが既にPIATTIでお馴染みの BICENOなのです。
何と言っても超のつく低酸度、0.14%ですから基準とは文字通り桁が違う凄さです。
「いくらアンチョビそのものが良くってもそれだけじゃあ駄目なんだ!」 彼は熱弁してくれたのでした。
このアンチョビは、パオロ・カヴァタイオの製品の中でも特別な高級バージョンとしてラインナップ
することになりました。
そのまま召し上がれる高品質タイプで身頃もしっかりしているので、小さく切って豆腐に乗せて
召し上がっても美味。
イカの塩辛や酒盗にといった和の食材にも通ずる旨みがあります。
大きいサイズの瓶には理由があります
「もっと小さいサイズの瓶は無いの?」
「ちょっとしか使わないから使い切りサイズが欲しい」
なんていうリクエストは結構あります。
でもこのサイズの瓶にしているには理由があるのです。
というか、正確には間口の大きい瓶にしている、という理由です。
これにはアンチョビがどんな風にして製品化されるか、という流れに繋がるのでちょっと長いですが
お付き合い下さい。
アンチョビってほんと手間のかかる手仕事の連続なんです。
だって小魚ですから。
わたを取って樽に並べて塩を振り、これを繰り返して(漬物みたいに) 重石を載せて発酵させます。
これで一定期間が過ぎれば所謂塩漬けのアンチョビが出来るのでこの状態で販売されることも
結構あります。
続いて塩漬けのアンチョビの頭や尻尾、背びれなどを取り除いて流水できれいに洗浄した後、
水分を拭き取り、瓶(もしくは缶)に入れ込んでいきます。
ずっと手作業なんです。
で、ここから大事。
指でつまんで入れ込んでいくわけですから、小容量の瓶や薄い缶にいれるものはアンチョビ
そのものがデカイとか厚みがあったら入れにくい訳です。
なので小さいもの、薄いものが選ばれる傾向にあるのは自然でしょう。
でも発酵食品は、その発酵自身がきっちりされているのであれば、やはり大きくて厚みのある方が
豊かな味わいになることが多いと思います。
それが魚であっても肉であっても野菜であっても、です。
アンチョビも然り。
やっぱり厚みのある立派な身の方が美味しい確率が高いです。
で、そんなアンチョビが格納されるためにはやっぱり瓶の間口が大きい方が入れやすいはずだし
大きいのをいれる確率も高いと思います。
私が一貫して間口の大きな瓶のタイプを選ぶのはそのためなのです。
そこで低酸度のエクストラヴァージン
アンチョビそのものは結構タフなものなので、大きな瓶にいれる事で結果的にボリュウムが
増えますが、酸度の低いエクストラヴァージン・オリーブオイルに漬けることでケアします。
そこで使われるのが同じ村の変人親父が作っているオイル、それがPIATTIでもおなじみのBICENO
ビチェーノなのです。
普通はアンチョビを漬けるために使われるオイルってヒマワリ油などが多く、つまりは品質よりも
コストを重視したものが殆どです。
そこを普通のオリーブオイルでもなく、普通のエクストラヴァージン・オリーブオイルでもなく、
超低酸度(0.14%)のビチェーノを使うなんて贅沢以外の何物でもありません。
産地であるシチリアのSciacca:シャッカはアンチョビ製造のメッカではありますが、魚の品質や
大きさは勿論、その後の部分にまで気を配ったものはそうあるもんではありません。
美味しいアンチョビって頼りになる便利な調味料なんです。