R&B La Pilota @Parma
最初の宿はパルマ市内にあるR&B La Pilota:ラ・ピロータという所でした。
Bed and Breakfast ではなくRoom and Breakfast の意味です。
パルマの駅から市内ど真ん中に至る途中にある至極便利なロケーションにありますが、
大きな看板があるわけでもなく、ちょっと戸惑うような場所でした。
それもそのはずで、所謂ホテル然とした佇まいはなく、旧市街にある全く普通の館がまさにその場所だったのです。
この“旧市街にある全く普通の館”、実は大変興味深いもので、そうそう中に入れるものではありません。
重厚でいて少々可愛さのあるパルマ旧市街の建物はだいたい薄い黄色や朱色の漆喰壁で塗られており、
道路に面して威風堂々と建っています。
道路に面した入り口は石のアーチでかたどられていますが、大きく厚そうな木の扉が閉まっている事が多いです。
この扉で外の世界と完全に遮断しているかのような、そんな感じを受けるので、
中を覗いてみようとしても少し気がひけてしまうのです。
この宿はまさにその建物そのもので、入り口のベルで名前を告げて鍵をあけてもらうと、
中からその大きく厚い木の扉を開けることができます。
そうすると、入り口の石のアーチの奥に薄暗い光がさしこみ、中庭が見えてきます。
車をゆるりと滑りこませ、停めてみると思ったより大きな中庭です。
屋根の無い、ゆったりと大きく静かな中庭、これがイタリアの各地の旧市街で見られる
il coltile:コルティーレ と呼ばれる中庭です。
外界と完全に隔離するかのような壁面から、このコルティーレを介していくつかの住居へアプローチする事で、
徐々に内界へと繋がっていくようなそんな感じです。
建物内に入ると薄暗い中に階段と古いエレベータがあり、ゆっくり上がると部屋にたどり着く、
そこがこのR&Bです。
良いですね~、何ともイタリアらしさ満開です。
旧市街の立派な館の主がR&Bとして部屋を貸しているのでしょう。
最近はこうしたところがイタリア各地に少しずつ出来ているそうです。
しかも、女主は物腰やわらかく上品で、中はただの部屋だけではなく台所や
応接室のようなスペースまであり、随所に余裕があります。
また、普通のB&Bだと朝食は用意してある物を勝手に食べてくれ的な所も多いのですが、
ここは主がきちんと用意してくれました。
何とも優雅なイタリアを実感いたしました。
宿のサイトは以下の通りです。
→ R&B La Pilota http://www.lapilotta.it/
続く。