短いトラパニの滞在を終え、パレルモ経由でカターニアまで帰りました。
いつものごとく、Pullman:プルマンと呼ばれる高速バスです。
ホンットーに時間感覚が違うイタリア、とりわけシチリアの中にあって、なぜあれだけ時間キッチリに
運行するのだろうかと、シチリアとの付き合いが深くなればなるほど不思議な感覚に襲われます。
・・・余談ながら、シチリアからミラノの倉庫へ送るのに
「一体、何日かかるんだぁ?!んあぁっ?!」
っと言いたくなるイタリア国内の物流に、もしこのプルマンのようなタイムスケジュールで働くシステム
があればどんなにか良いかっと思うのです。
あ、でもやっぱり今度は書類手続きに時間がかかったりして
「一体、書類一枚書くのに何日かかるんだぁ?!んあぁっ?!」
って事になったりして。
そんな事で一喜一憂していてはイタリアとは付き合えないないですね。はい。
カターニアでは友人のRoberto:ロベルトが迎えに来てくれていました。
パレルモからのプルマンは必ずカターニア空港に停車しますから、
街中の混雑や駐車場問題を避けるために、ここで待ち合わせする事は便利な事なのです。
プルマンに負けず劣らず、彼もpuntuale:プントゥアーレ、つまり時間に正確なのでした。
なので、彼に到着時刻を言う場合は何時何分という風にきっちりと伝えます。
普通は、まぁ『今日、たぶん』とかせいぜい『午後』とか 。
さっそく向かったのは彼(の家族)の山の家でした。
エトナ山の中腹にNicolosi:ニコロースィという村があり、ここには山の家、別荘が点在しています。
決して豪華ではないけれど、そこで昼食を取ったり、のんびりしたり、必要にして十分なのです。
・・・というか私には羨ましい限りです。
山の中腹という事で、麓よりも一段涼しく過ごしやすいのです。
カラッとした空気はそのままに、既に初夏の暑さを感じるこの頃でも涼しいとなれば、
足しげく通ってしまうのも頷けるところです。
採れる果物や野菜も少し種類やタイミングが変わります。
fave:ファーヴェと呼ばれるソラマメもまだ採れるという事で食卓にあがりました。
若く新鮮なソラマメって生で食べると美味しいんですねぇ。
知りませんでした。
外皮を剥いて出てきた中身をそのまま口に放り込むと、
やわらかな青さとほんのりとした甘味が感じられて、これがまた、止まりません!
リコッタ(ricotta salata)チーズやパンと一緒に食べると、もうちょっとした食事になります。
オリーブオイルを垂らしてもグー!
シチリア、エトナの中腹で、静かで乾いた空気、青い空のもと、
取れたてのソラマメを口にしているなんて、とっても贅沢だと思います。
こういう雰囲気で過ごしていると、行動基準は太陽が昇ったとか沈んだとか
そういう自然のものになってくるので、時間感覚も変わってしまうのかもしれません。
今回の買付では、いつもの東京生活の時間間隔を持ち込んでしまった事に
失敗の原因があったように思います。
サッと来てサッと帰っても十分に楽しめるシチリアですが、
シチリアの良さを伝えようとする私としてはもっとじっくり覗き込むような
計画を持って臨まないといけないと反省したのでした。
続く。