アンチョビの工場に行きました。
カタクチイワシを
塩で漬け
頭と内臓と取り
また塩で漬け熟成し
洗ってきれいな身(フィレ)を
瓶に入れて
オイルで満たす
という作業を経て商品となるわけですが、
素材の選定(身頃のしっかりさ加減)
塩漬け(塩蔵)工程
熟成工程
オイルの選別
そしてこれらのコンビネーション
は各生産者によって結構異なるようだというのはいくつか見学するうちにわかってきました。
熟成がしっかりと行われる前後では見事に“匂い”から“香り”に変わるものだと
だんだんわかってきました。
今回はつまり、これだと思うアンチョビが見つけられなかったのでした。
シチリアのシャッカという町はアンチョビ、或いはカタクチイワシの産地として有名ですが、
シャッカに行けば美味しいアンチョビがゴロゴロある^^!っと思っていた私にはかなりの驚きでした。
それほど製品の味覚にヴァリエーションがあるということでしょう。
もちろん、生産者から話を聞いたり、文献を読んだりして得ていく情報は大切なのですが、
前情報に惑わされないように、ここはひとつじっくりと試食を繰り返すほか無いなぁと実感したのでした。
ドライトマトや海塩、トロンチーニなどに辿り着いた時のように、これだ!
と思えるようなものを扱いたいなぁと思っています。
そして同時に、イタリアという国の持つ“塩蔵”“オリーブオイル漬け”“熟成”“発酵”
などという食文化の根本的な部分に日本のそれとかなりの共通項があるからこそ、
イタリア料理がこれほど日本に広まり根ざしつつあるのかなぁ・・・
などと思いふけるに至っています。
シチリアの西、ほとんどアフリカに近いアラブの香り漂う街、シャッカにて。
続く。