イタリア買付道中記 2004 その21

モディカの夜はまた格別でした。

コバイタの職人、トニーノに連れて行ってもらった場所は気の置けないトラットリア。
モディカは高地にあるために、シチリアの初夏でも夜となれば結構涼しいのです。
(冬は・・・どうなんでしょう)
というわけで穏やかなモディカの夜はゆるりとオープンエアが似合います。
トラットリアに並べるテーブルもオープンエア。
好きなものを好きなだけ、好きなように食べるシチリア流ですから、
カメリエーレ(給仕)との会話もあれこれあって楽しいです。

満点の星を仰ぎつつ、心地よい会話を楽しみながら、程好く酔いも廻って上機嫌でした。

「モディカの夜景を見せてあげよう。」

と言って連れて行ってもらった街の高台から見下ろす夜景の綺麗な事!
さらに近くまで寄って見上げたシチリアのバロック建築として有名な
San Giorgio:サン・ジョルジョ教会の荘厳な様!
うっとりするほど綺麗です。

 

 

シチリアをゆっくりと堪能できる夜もこの日がほぼ最後だなぁと思うと何だか夜景もよけいに素敵でした。

そうそう、シチリアのpasticceria:パスティッチェリア:お菓子屋さんには、
美味しいけれど日本では販売が難しい焼き菓子がたくさんあります。

Spinello...dolci pensieri:スピネッロ・ドルチ・ペンシエーリで
実際に食べてみて美味しかったものをご紹介してみます。

■Impanatiglie:イムパナティリエ
シチリア弁では'Mpanatigghie:ンパナティッギエ といいます。
アラブの影響を色濃く受けた典型的な郷土菓子で、中にナント“お肉”が入っており、
その他アーモンドや卵、チョコラート・モディカーノ等も入っています。
肉の感触や記憶はほとんどありませんのでご安心を。
モディカ村、あるいはRagusa:ラグーサ県に行った時は是非!


■Mucatili:ムカティリ
シチリア弁ではNucatoli:ヌカトーリ といいます。
上記イムパナティリエに似た様子ですが、コチラはもっとシンプルに
ドライフルーツが入っています。“S”字に曲がったスタイルが特徴です。


■Biscotti al carrubo:ビスコッティ・アル・カッルーボ
カルーボという“いなごまめ(又はキャロブ)を練りこんだ焼き菓子です。
甘栗のようで、黒砂糖のようで、少しシナモンを感じる独特の味と香りが特徴です。
見た目以上にかなり美味です。


■Mustaccioli ripieni:ムスタッチョーリ・リピエーニ
リピエーニとは“詰め物”の意味ですが、焼き菓子を半分に割った間に上記カッルーボを少し
柔らかくした状態のものが詰められています。
全体に感じるアーモンド&カッルーボの香りとしっとりタップリのハチミツがたまらない逸品です。


モディカでは本当にお菓子三昧、Caffe'三昧だったなぁと記憶に残った滞在でした。
全てをエスコートしてくれたトニーノにお礼を言っていよいよシチリアを後にする日がやってきました。

次号に続きます。

続く。