「ファヴィニャーナの島の周りで海遊びをして来いョ!船は俺が段取ってやるから!」
仕事で忙しく同行できないアントニオの何とも気の効いたプレゼント。
勝手に“船遊び=瀟洒なクルーザーでセレブなひと時”をイメージしていたのです。
が、
実際に船着場に用意されていた船は瀟洒なクルーザーでもなく、
船長含めて6人乗ればいっぱい、いっぱい・・・のボートでした。
←これではなく
←これでした
もうかれこれ15年ほど海で遊んだ事がないわりに、スーツケースには
ちゃっかり海パンを忍ばせていた私。
ようやく日の目を見た海パンもさぞかし喜んだ事かと。
ウキウキで乗り込んだ私でした。
いっやぁぁあ~、ホンットにキレイな海、海、海♪♪
引き込まれるかのように飛び込んだ海、地中海。
すばらしく高い透明度は浅瀬とはいえ、ついつい底まで潜りたくなる衝動、
強く照り返された、青いはずの空の色は水色に映り、
水面にプカりと浮いていた私の目には
「Trasparente!:トラスパレンテ(透明な、澄み切った)」
と叫びたくなるような(っていうか叫んでました)、どこから海でどこから空か判らないほど水色一色!でした。
船の上では空を見上げて寝そべり、海の中ではその美しさを何度も確認し、
というような事を飽きもせず。
さすがのイタリア人でも口数少なく、感動は国を越えているようでした。
海の上での昼食はやっぱりパスタでした。
アントニオが用意してくれていたペーストを茹でたパスタに和えるだけ!
だったのですが、これがまたドエライ美味い!
←パスタを茹でる船長さん
アウトドア・パスタとも言うべき、こういった屋外での食事を楽しむ事が多いイタリアで
ケータリングが持てはやされるのもわかる気がします。
ペースト一瓶持っていって、パスタ茹でて5、6人が楽しめる!
というスタイルが存在するから、かの地では瓶詰が持てはやされるのかもしれません。
簡単パスタと少しのワインで十分にご機嫌な私たちは、こうして海を楽しみました。
太陽のケア度合いが人によってマチマチだった事を除けば・・・
午前10時から午後4時の6時間を海で過ごすわけです!
海の上で受ける強烈な紫外線の事など“なーーーーーんも考えていない”
海遊びなんて15年ぶりのドシロウトな私だけ能天気だったのでした。
港に帰り着き、アントニオといろいろと話した後に島を後にした私。
トラパニの港に舞い戻った頃には、既に異変が起こり始めていました。
今さら、薬局にかけこみSOSを出したところでどうしようもないのですが・・・
日焼け後ローションなるものを塗りつけるも、とっても敏感な状態の肌。
「お、お願いだから私に触れないで!!」
これから向かう先はトラパニから一気に山ノ上まで上ります。
カーブの度にパスがロールしては、シートと擦れあう私の肌・・・(涙)
痛みをこらえてまで登る為の約束。
山ノ上のとある街で人と会う約束をしていたのです。
Erice:エーリチェにてスローフード。
続く。