「コウジはCatania:カターニアの伯父さんの所に泊まるのが仕事には便利だから、その方がいいだろう。」
という事が急に決まりました。(その日の夕刻になってから(^^;)
Zio:ツィオ、伯父さんは教会の神父さんなのです!
カターニアの街中、Duomo:ドゥオモから歩いていける場所にツィオが住まい、教えを説く小さな教会がありました。
ウルシーノ城という場所の近くです。
「おぉ、コウジかね?良く来たね、待っていたよ。」
私を案内しながら話すその言葉は、小さいながらも美しいバロックの教会中に
おだやかに、やさしく、光のように響きながら耳に届きました。
「なんて素敵なところなんだろう。。。」
うっとりしながら通された居住部には“質素な様相を呈した空間”が。
特に客用の部屋などあるわけも無く、物置替りに使っていた部屋が私のしばしの寝床となるわけです。
「寝られるだけで充分です。」
と言うが早いか、目に飛び込んで来たのは、“十字架に貼り付けられたキリスト像(高さ3メートル位)”!!
「ぬ、ぬうぅぅ、ツィオ、こ、これは!」
「ああ、きっとコウジを見守ってくださるはずだよ。」
とあくまで穏やかなツィオ。
これから数日は、神に見守られながら眠るわけです。
見せたいものがあるので来なさい、と言われて通されたのは彼の部屋。
「このノートパソコンは、CPUが2.8GHz,Memoryが512MHz,DVDにCD-RWが・・・、
それからこのパソコンは・・・、それからこのTVはマルチチャンネルのCSで・・・、
そうそう、最近買ったプリンターは、複合機で・・・」
と豹変し、熱く語りつづける彼の部屋には
・数多の最新電子機器
・数多の中古電子機器
・用途不明の電子機器
・使われていないであろう、電子機器・・・etc
が、
・ホコリをかぶりつつ
・どう考えても滅茶苦茶に山積みされ
・タコの足8本をはるかに凌駕するタコ足配線
のもとに存在しておりました。
(内部の写真はやっぱり撮れない...そんな風に思いました。)
しかも、
「電気屋を呼べばお金がかかるじゃないか、だから自分でやるんだよ。」
と豪語する割には、
・コンセントに裸線をそのまま突っ込み
・調子が悪いからと、大事なパソコンの電源を“ブチっと”もとから引き抜く
ような、お茶目な“電気好き”のツィオをして
「エレクトリック、ツィオ」
と呼ばずにはいられないほど惹き付けられてしまったのです。
さらに、エレクトリック、ツィオは
「片付け大嫌い、ツィオ。」
なる事も発覚し、彼のキッチンは、
・私がもしも“虫”だったら、愛して止まないであろう、否そうに違いない
・食べ物一般が“発酵”するに最適な条件
を満たしていました(^^;
←ツィオの家に行く=掃除をしに行く事です。
その常人を超えたアクティビティが魅惑的なツィオ。
不思議な魅力に惹かれっぱなしの私は少し混乱気味でした。
翌朝、出かける前にひと言、
「あなたの行く先は全て神が見守ってくださいます。」
あのエキセントリックで興奮した記憶は、また穏やかな語り口と共に心に響く
平穏で幸せな気持ちにとってかわり、もはや、その心を鷲掴みにされてしまった私は
どうしようもなく、彼にメロメロになってしまったのでした。
続く。