2003年4月22日。
良い鞄、服装の人多い。東京9時発の車内は寝ている人ばかり。一人緊張。
こんな風な書き出しで日記をつけました。
ちょうど、SARSの騒ぎが大きくなる前に出発する事になった私は、SARSより気にかける事がありました。
L'inizio:はじめての事ばかり
Amicizia:友情を確認しないと
何事もこの二つが頭に残りながらもガンバッテ伝えるしかないのですが、とりわけシチリアにこだわった以上
お世話になったホストファミリーとの関係が途切れてしまう事だけは何としても避けたかったのです。
ゆえに、ひたすら怖かった。
事前にメールを送るが返答が無い。
FAXを送るが返事は遅く、帰ってきた答えが、「今は忙しい」。
電話をするが、たまに話すとそうそう話せるものではない。
などの事前情報が宜しく無かった事も怖さに追い討ちをかけていたのです。
迎えに来てくれなかったらどうしようか。。。買い付けという前に、彼らに面と向かって
「新しい仕事を始めるんだ!シチリアの食べ物を日本で売るんだ!」
と言いたかったんです。そういう機会をきちんと経たかったのです。
イタリアで一番大事な人に、一番最初の大事な事をきちんと伝えてからスタートしたかったのです。
そこだけは曲げずに譲らず、きちんとしたかったのです。
ゆえに、ひたすら怖かった。
6年前より飛行機代は安くなり、直行便で飛べるようになり、多少は話せて途中の手続きは問題なく行えても
そんな事はどうでも良かった。
約16時間で到着するその場所に、あのシチリアの人たちに
「Ciao!」
と言って抱き合えるか?という只一点に、私は怯えていたのでした。
続く。